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1958年の「国民生活に関する世論調査」では、自らの生活程度を『中流』とした者が7割を超えた。1960年代半ばまでに8割を越え、1970年以降は約9割となった。 『中流』がどの程度の生活レベルなのかの定義もないまま、自らを「中流階級」「中産階級」だと考える根拠なき横並びな国民意識が広がった要因は、 大量生産と国内流通網の発展によって、「三種の神器」と呼ばれたテレビジョン・洗濯機・冷蔵庫などの生活家電の価格が下がり、全国に普及したこと 経済成長によって所得が増加したこと 終身雇用や雇用保険(1947年~1974年は失業保険)による生活の安定、医療保険における国民皆保険体制の確立(1961年)による健康維持、生命保険の広まり、正社員雇用される給与生活者の増加など、貸し倒れリスクの低下により労働者の中長期的な信用が増大し、信用販売が可能になったこと 高等教育を修了する者が増加したこと テレビジョンなどの普及により情報格差が減少したこと などが考えられる。 バブル崩壊後の「失われた10年」においても国民意識としては統計的にまだ「一億総中流」が続いていたと見られる。 2013年の調査でも、9割以上の国民が自らの生活程度を「中」であると感じると答えており、リーマン・ショック後も国民意識としての「一億総中流」は続いているといえる。